熱ニモ負マケナイ、ステンレス
ステンレスと聞いて一番に思い浮かぶ性能は耐食性ですが、その他にもさまざなな性能を持ち合わせています。
今回は、『耐熱性』にクローズアップしてどれを選ぶと良いか、ご紹介します。
2022.09.22
材料選定、それはいつも『価格』『納期』の問題が絡み合う難しいものです。
今回は、ステンレスSUSでもなく、アルミでもなく『ニッケル合金』のお話です。
しかも、“私は最強”っていう癖の強いお話です。
どの金属にどこまでの高温に耐えられるか、具体的に何℃までの熱に耐えられるかなど…使用環境に合わせて材料は、適切に選ばないといけません。
そこで、よくNPS®に頂くお問い合わせで、ちょくちょく目にする『熱に強い金属で』『高温になり、負荷がかかる部品です』『600℃程度の熱が加わります』のワード達。
過酷です…。
その中でも、割合でいうと0.1%ぐらいの低い確率で『インコネル(INCONEL®)』という金属名のご指定を受けます。ご指名あらば、御意。
また、「どの金属を選べばいいかな?」と材料選定のご相談を受けた場合は、できればコスパの良い金属で、かつNPS®の常時在庫で製作できると良いのですが、過酷中の過酷な使用環境の場合はこのインコネル(INCONEL®)をご提案することになります。
さて、このインコネル(INCONEL®)、ニッケル系の合金でアメリカの『スペシャルメタルズ社』が商標登録をしている商品名で、日本では『アロイ』なんて呼びます(呼ぶはずですが、皆さんインコネル(INCONEL®)と呼びます)。
インコネルの製作事例(お客様のご好意で掲載許可をいただきました)
ニッケルをベースに、クロム・鉄・ニオブ・モリブデンなどを添加した合金で、特殊な環境にめっぽう強い。
しかも、さらっと『ニッケル系の合金』と言いましたが『超合金』なんです!
なんだ、なんだ、名前だけでもカッコいいのに『超合金』だなんて、最強じゃん!!
どこがスゴいのか、ご紹介していきます。
まずは、簡単に言うと「耐熱性」「高強度」「耐食性」に抜群に優れていて、特に熱において高い性能を発揮します。そのため、主な用途は以下のような感じになります。
次は分かりやすいところで、耐熱最強SUS310Sと比較してみましょう。
簡単に言うと、高い温度環境でも耐久性が劣らない、腐食に強いという特徴のあるニッケルをどれだけ含有しているか、が一つの目安になります。
インコネル(ALLOY600) | SUS310S | |
成分 | ニッケル72%、クロム14%、鉄6% | クロム25%、ニッケル20% |
耐熱温度 | 1,800℃ | 1,000℃ |
コスト | SUS310Sの約70倍(!!) | SUS304の約3倍 |
性能 | 「耐熱性」「高強度」「耐食性」三拍子揃った金属。高温化でも変形しにくい。 | 代表的な耐熱最強ステンレス。 繰り返し高熱が加わる環境下に適している。 |
注意 | 1,800℃まで耐えられるが、ボロボロになってしまう。 できれば700℃を目安にすると耐腐食性能の低下が防げて◎。 | 600〜800℃で長時間加熱をおこなうと、シグマ相という常温で脆い組織が生成される。 |
さて、ここまで褒めちぎっておいて、残念ながらこのインコネル(INCONEL®)、ニッケル含有量が多いということは硬いということで、そうなると当然、切削加工が難しいということになります…。
でも、溶接での実績もあります! ご安心を。NPS®が得意とする溶接はそれほど難しくありません!!
ご注文を賜った際は、現場スタッフから『出た! インコネル』と悲壮な声が上がります。笑
できればご注文を避けたいところではありますが、それでも『信頼できる金属加工業者』としてNPS®にご依頼頂いた場合は、全力で加工いたします!御意のままに!!
高額なので気合いを入れて、まずはこちらからお問い合わせください!
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