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修理か、複製か、それが問題だ

皆さんが欲しい金属パーツは、新しく製作された物だとは限りません。
NPS®にも、『今まで使っていた金属パーツが壊れた』という理由で、古い金属パーツが送られてくることもしばしばあります。
そんな時、どうするのか?どんな選択肢があるのか?
今回は、そんなお話です。

SOSのメールは突然に

平穏な昼下がり、『新しくこんな形でこんなサイズで、ステンレスの金属パーツが欲しい』といった穏やかな内容のメールの中に、突然、SOSのメールがNPS®に届きます。

『使っていた金属パーツが壊れたッ!』
『製造が止まってしまっているッ!』
『なんとかして欲しいッ!』
こういうメールの本文は、『えーーーーー?!』っと言いながら、ますは3回ほど読み直します…。

私も人の子、何とかして差し上げたいッ!
どうするべきかメールの本文から読み取れる手がかりや経験値から想像できる可能性を考えます。

そう、でもお気づきでしょうか、まだこの時点で現物を見ていないのです。
でも、気持ちは思い悩む、決断を下せないでいるシェイクスピアのハムレットです。
悩みます、悩みます、悩みます…。

メール送付の次は、現物送付だ!

とは言え、時間は刻々と過ぎていきます。
一旦、状況を把握した旨をメールを返信しつつ、さらに詳しい状況を把握しておきたい情報をお尋ねする項目を書き記し、現物をNPS®にお送りいただくお願いをします。

さて、このタイミングでNPS®が知りたい主な情報は以下になります。
ちみにに、初回お問い合わせ時に以下の内容についてお答えいただいておくと、この後のやり取りの回数減り、結果的にやり取りの回数と納期を短縮することもできるので、とても助かります。

  1. どのくらいお急ぎか?
  2. 図面、CADデータはありますか?
  3. 材質は?
  4. 数量は?
  5. どういう状況下で使われていましたか?
  6. メーカー部品ですか?オーダーメイドの部品ですか?
  7. 修理ですか?複製ですか? ご意向をお聞かせください

ただし、最後の『7』は修理をご希望の場合でも、状況次第ではご意向に沿えない場合もある旨、ご了承ください…。

また、大抵の流れは現物をお送りいただくことになりますが、まずはお問い合わせフォームからご連絡をお送りください。
詳細をお尋ねする際、『現物が手元にないので、分からない…』ということなきよう、くれぐれも現物を先にお送りいただくことは、ご遠慮ください。

さて、そんなこんなで現物がNPS®に届きました。
早速、営業担当と工場長がお客様からの情報を元に協議をおこない、ベストな案は何なのか『修理』なのか『複製』なのか結論を出し、ご連絡を差し上げます。

ご期待に沿える場合もあれば、沿えない場合もあり、心苦しくなる時もあります。
が、弊社の利益よりも『お客様の状況が一刻も早く最善の方法は何か』を最優先に検討した上での回答ですので、ご理解いただけると幸いです。

お客様ケース:その1『溶接修理できる?』編

さて、『修理か、複製か、それが問題だ』だった事例をご紹介します。

まずは、こちら。
初回お問い合わせの際、『装置の部品が折れてしまったため、修理してほしい』とご連絡をいただきました。

この静的破壊の部分を修理するとなると『溶接』になりますが、社内で協議をした結果、強度の問題から溶接による修理は困難であると判断し、複製しました。

また、図面が無いとのことで、お借りした製品の計測に細心の注意を払い、CADを使って製図をし直しました。

お客様ケース:その2『壊れた部品のメーカー保有期間が終了している!』編

次の事例です。
こちらは、ハンドルの根元部分が元々、樹脂製部品と金属部品が組み合わさっており、長年の使用で疲労破壊したそうです。
しかも、修理をするにもメーカー保有期間が終了しているとのことで修理が難しいという状況とのことで、ご一報をいただきました。

こちらの場合は疲労破壊が原因ですので、樹脂部品を再度、樹脂で制作しても恐らく同じ事が起こると思われたため、ハンドルの柄の部分と同じステンレスで製作することにしました。


こちらも、“その1”と同じく、CADを使って製図をし直しました。

いかがだったでしょうか。
“その1”も“その2”も、結果的に『複製』することになりましたが、もちろん『修理』で対応できる場合もあります。

『使っていた金属パーツが壊れたッ!』
『製造が止まってしまっているッ!』
『なんとかして欲しいッ!』
こんなお困りの時は、ぜひNPS®にご一報ください。

※“その1”・“その2”の事例2件については、お客様のご了承を得て掲載いたしました。ご協力いただき、ありがとうございます。

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