ステンレス選びで迷ったらだいたいこの4つ
NPS®でご注文いただく加工のうち、ステンレスを使った加工が4割で、他の加工屋さんに比べてステンレスを多く取り扱っています。
これだけ多くのステンレスの加工の相談を受けていると、頻繁に『どのステンレスを選定したら良いか分からない』と聞かれます。
そこで、今回はこの4つを知っておけば、だいたい大丈夫!という4種類をご紹介します。
2022.09.08
アルミの特性と言えば、軽さのわりに強度があること!
とは言え、鉄やステンレスと比べると柔らかいため、一般的には強度を最優先にする場合は選ばない素材です。
しかしアルミと言っても120種類もあるので、探せば強いアルミがあるんじゃない?ということで、今回は『最強のアルミ』を探してみましょう!
NPS®でもステンレス、鉄の次にご注文数が多いのがアルミ。
以前に、アルミのデメリットを補完できる表面処理『アルマイト処理』を施す手法をご紹介した時に特性もご紹介しました。
今一度、おさらいをしておきましょう!
アルミの特性を『アルマイト処理』の紹介記事で、『軽くて強い』と言っていますが、誤解のないように言うと比強度(強度を密度で割った値)が高いということで、『軽いわりに強い』ということです。
他にもアルミの良いところは…
といった特性があります。
でも、一般的に比強度が高いと言っても『強さ』だけで比較するとステンレスや鉄には敵いません。
加工性が良いということは、ステンレスや鉄に比べて柔らかいという・・・そういうことですよね・・・。
しかし!アルミと言っても純度99%の『純アルミ』や、さまざまな特性をプラスするために銅やマンガン、マグネシウムなどを混ぜた『アルミニウム合金』があり、JIS規格に載っている合金の番号を数えただけでも49種類!
となると、強度があるアルミもあるんじゃないの?と考える訳です!!
それにしてもどうして、金属ってヤツはそんなにも種類があるのかと途方に暮れますが、そこはさまざまな状況に役立つために、アルミの欠点を補おうと各メーカーさんが研究開発された賜物なんですね、感謝。感謝。
早速、結論から入りましたが、強いアルミニウム合金の見つけ方、お教えします。
まずは、JIS規格で添加されている物質だったり比率によって7つのグループに分けられます。
添加 | JIS合金名 | 特徴 |
純アルミ系 | アルミ1000系 | 強さを求めないならこれ。耐食性に優れている。アルマイト処理をすると発色が良くなるので、装飾製品向き。1円玉もこれ。 代表格:A1050、A1100 |
アルミ銅マグネシウム合金 | アルミ2000系 | 鉄に引けを取らない強度があり切削性に優れている、耐食に弱い。 代表格:A2024、A2017 |
アルミマンガン合金 | アルミ3000系 | 純アルミに比べて強度がある。 |
アルミマグネシウム合金 | アルミ5000系 | メジャーな合金。溶接性に優れている。 代表格:A5052(NPS®常時在庫品)、A5083 |
アルミマグネシウムシリコン合金 | アルミ6000系 | 強度、耐食性UP。電気電動率も高い。押出加工向き。 代表格:A6061、A6063 |
アルミ亜鉛マグネシウム合金 | アルミ7000系 | 最も強度のあるアルミ 代表格:A7075 |
アルミリチウム合金 | アルミ8000系 | 2000系、5000系、7000系などにリチウムを添加し、高剛性を高めた。 |
こうやって見ると、いろいろな物質が混ざっていることが分かりますね。
その中でも、亜鉛とマグネシウムを含有する7000系のアルミニウム合金に注目です。
7000系は、強度を上げるために熱処理(時効硬化)をしていて、曲げや引っ張りに強い性質を持っています。また、銅を含むA7075は超々ジュラルミンと呼ばれ、これが最強のアルミなんです。
“最強”と言っていますが、具体的に言うと鉄とほぼ同等!
定番アルミA5052の約2.5倍の強度があります。
しかも硬度もある、まさに『最強アルミ・A7075』!
また、名前もスゴくないですか?!
『超々ジュラルミン』!
いかにも強そうでカッコいい名前!!
映画やテレビドラマで、犯人に身代金を渡す時に現金を入れるあのアタッシュケースを『ジュラルミンケース』なんて呼びますよね。
あれ、正しく訳すと『マグネシウムと銅を含有した鉄と同じぐらい強いのに、鉄の1/3の軽さしかないアルミニウム合金製のケース』ってことになります!
そんな『ジュラルミン』と呼ばれるアルミニウム合金ですが、A7075の『超々ジュラルミン』のように3種類の『ジュラルミン』があります。
合金番号 | 名称 | 特徴 |
A2017 | ジュラルミン | ジュラルミンケースに使われているのはこれ。 硬度 105HB。銅3.5~4.5%、マグネシウム0.40~0.80%含有。 |
A2024 | 超ジュラルミン | 硬度 120HB。銅3.8~4.9%、マグネシウム1.2~1.8%含有。 |
A7075 | 超々ジュラルミン | 硬度 160HB。銅1.2〜2.0%、マグネシウム2.5%の他に亜鉛(Zn)5.5%も含有。 |
この3種類の『ジュラルミン』の中で、最高硬度を誇るA7075には、最高ランクの『超々』の称号が与えられているのです。
このA7075は航空機産業で大活躍し、機体の軽量化に大いに貢献しているそうです。鉄の1/3程度の軽さなのに、鉄と同等の強さがあるなんて、夢のようなアルミです。
しかし最強アルミの称号を欲しいままにするA7075でも、デメリットがあります。
銅を含んでいるため、A5052に比べて耐食性が劣り、粒界腐食(内部腐食)が起こりやすいと言われています。
耐食性も必要な場合はアルマイト処理など、しっかりとした防腐処理が必要です。
また、曲げると割れてしまうので曲げ加工ができません。また溶接はほぼできないに等しいので、形状にはご注意ください。
さらに、強いといってもアルミなので金属疲労が起こりやすく、さらに価格も高いのでご注意くださいね!
A7075のように強いアルミが必要な時や材料選定に迷ったら、お気軽にこちらからご相談ください!
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2022.11.01
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