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ステンレスの溶接後は外も中も劇的キレイに

今回も溶接のお話です。
溶接の後に残る変色模様、美観を損なうだけでなく中の組織も溶接の熱の影響を受けて、変化してしまっています。
ステンレスの溶接の後、しっかり一手間をかける『あるコト』が、重要になります。

今日もステンレスを溶接中

溶接が上手い(自慢です)とお客様からよく言ってもらえるNPS®。
その最大の理由は、JIS規格に基づいた一般社団法人日本溶接協会の評価試験に合格したスタッフが6名が対応しているからなんです。

また、ご注文の40%を占めるのがステンレスなので、自然と溶接を必要とするご注文も多く、スタッフも毎日と言っていいぐらい、ステンレスの溶接作業をおこなっています。
そのため本社工場が手狭になり、先日、本社工場の近くに溶接工場を新設しました。

溶接後は、外も中も変化してしまう

ところで、この溶接、接合すればいい訳ではないんです。
溶接をおこなうと、モコモコした溶接ビートができ、その周辺にオーロラのような変色模様が残ります。
このオーロラのような変色を、『溶接焼け』『焼け』『スケール』と呼ぶのですが、美観を損なうだけではないんです。
元々の金属材料の色から変色するということは、性質が変化している・特性が変化しているということなんです。

では、そもそもステンレスの性質をおさらいしてみましょう。
鉄にクロム(Cr)を添加しているステンレス、最大の特徴と言ば、耐食性ですね。
その他にも耐食性・耐熱性・加工性・強度などに優れており、NPS®ではこれらの性能とコストのバランスが良い、SUS304、SUS316L、SUS430を選定していただくことが多いです。

でも耐食性能を重視してステンレスを選定したのに、溶接したら本来の特性が変化しているとなると、一大事です。
「錆びてしまう…」「腐食(電気化学的腐食)しまう…」
それは、困りますよね。汗

じゃ、どうするの?というと、この『溶接焼け』を除去して、耐食性を取り戻そう!という訳です!!
この取り戻す作業を『焼け取り』と呼び、溶接の後に必ず、おこないます
簡単に考えれば、変色を取れはいいだけでは?と思ってしまいますが、そうではないんです。

では、この『焼け取り』作業、詳しくご紹介します!
まずは溶接後のステンレスの中がどんな状態なのか、図解で説明します。


このようにステンレスの表面に元々ある耐食性を作っている『不動態皮膜(酸化皮膜)』が破壊されるだけでなく、中も変化してしまい、耐食性能が下がっています。

解決!ビフォーアフター

そこで『中性電解ステンレス溶接焼け取り法』という方法で、『溶接焼け』を取ります。

写真のように、溶接部分に中性の電解液を塗布していきます。
丁寧に、刷毛で薬品をぬりぬり…。

すると、なんということでしょう!処理前と処理後、こんなに違います!!
(皆さんの頭の中では、あの“匠”が登場するテレビ番組の曲がBGMなハズですよね?)
これで美観はもちろん、耐食性能も蘇るという分けです。

今回も『NPS®溶接クオリティ』が発動しました。
『ステンレス×溶接のち、焼け取り』で、もう安心!!

ステンレスを選定し、溶接が必要な部品調達でお困りなら、お気軽にこちらからお寄せください。
お見積もりのご依頼も、ぜひ!

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