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ステンレス選びで迷ったらだいたいこの4つ

NPS®でご注文いただく加工のうち、ステンレスを使った加工が4割で、他の加工屋さんに比べてステンレスを多く取り扱っています。
これだけ多くのステンレスの加工の相談を受けていると、頻繁に『どのステンレスを選定したら良いか分からない』と聞かれます。
そこで、今回はこの4つを知っておけば、だいたい大丈夫!という4種類をご紹介します。

74種類もあるのか?!ステンレス

金属加工の現場では、『サス!』『サス、サンマルヨン』という言葉が飛び交います。『サス』はSUSのことで、ステンレスのSteel Use Stainlessの略語です。

さらにこのSUS、一言で言っても『オーステナイト系』『オーステナイト・フェライト系(二相系)』『フェライト系』『マルテンサイト系』に分けられ、全部で74種類もあるんです・・・。カオスです・・・。
この中から必要な性質を持ったステンレスを選定するのは、至難の技としか言いようがありません。

そこでNPS®ではこのカオス回避のため、主に『オーステナイト系』のSUS303、SUS304、SUS316、SUS316L、『フェライト系』SUS430を取り扱い、常時在庫しているのは、SUS304とSUS430とSUS316Lです。

勘が良い方は、もうピン!ときましたね。
という事は、NPS®が取り扱っているステンレスの性質を把握しておけば、だいたい大丈夫!という訳です。

では、この4つの特性を説明していきます。

結論!SUS303、SUS304、SUS316L、SUS430

成分コスト切削溶接耐食性磁性
SUS303クロム18%
ニッケル8%
××
SUS304クロム18%
ニッケル8%
××
SUS316Lクロム18%
ニッケル8%
××
SUS430クロム18%

ちなみに、NPS®で常時在庫しているSUS316LとSUS316は、SUS304に比べて耐食性に優れていています。

また、この2種類の違いはSUS316Lの方が炭素成分が少なく、腐食が結晶粒界に沿って進行する「粒界腐食」がしにくく、加工・溶接もし良いので、NPS®ではSUS316Lの方を在庫品にしています。
価格は、SUS316よりも概ね高額になる傾向にあります。

他にもSUS316Lのように『L』がつくものがありますが、全て炭素が少ないという意味で、『Low Carbon』の『L』です。

これでも、まだ難しいな・・・という方には、主な用途もご紹介します。

主な用途
SUS303自動盤用、ボルト、ナット、シャフト
SUS304外板、タンク、プラント、洗浄機、
加工食品工場の設備、原子力機器、化学プラント
SUS316Lサージカルステンレスとも呼ばれ、医療用器具や金属アレルギーの方向けのアクセサリーとしても使われています。
SUS430水廻り、スプーンや厨房製品、自動車排気管、住宅屋根

機能、価格のバランスで選定する

ここまで、ステンレスの選び方についてお話をしましたが、どれが適しているか選ぶ際は、譲れないポイント(必要な機能と価格)をまとめて、総合的に判断する事をおすすめしています。

最後にステンレスは耐食性に優れいますが、絶対に錆びない訳ではありません。使い方によっては錆びてしまうので、正しい選定・取り扱いで本来の機能を損なわず使っていただけます。

さらに、「無電解ニッケルテフロンめっき」などの表面処理をおこなうことでプラスの機能を持たせることができます。

どれを使ったら良いのか分からない場合はSUS304を選択してください。最もポピュラーで耐腐食性も良くバランスが良いです。
厳しい環境の場合はSUS316Lを、磁性が欲しいなどであればSUS430、切削品で安価にしたい場合はSUS303です。

必要な機能を持ったステンレスを正しく選定して、素晴らしい機械・構造物を作ってください。

この他、「こんな時、どのステンレスを使ったらいいの?」など、材料選定や金属加工に関するご相談はお気軽にこちらからどうぞ!

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