許せる?許せない?公差の世界〈板金加工編〉
設計者の方は、金属加工を注文する際に図面に寸法を指定されます。でも実際に仕上がった金属加工品との間には、どうじても誤差が生じます。
この誤差をどこまで許容するか、その寸法幅・許容範囲を『公差』といいます。
許せる箇所が少なければ少ないほど、厳しい精度を求めれば求めるほど・・・
コストに関係してくる『公差』、効率よく『公差』を求めたい時のお話をします。
2022.11.07
NPSでは、タップ加工のご注文を数多く頂きます。
その中で時々、タップが無駄に深く設計されている図面を目にすることがあります。
コストダウンの面からも、強度の面から見ても、デメリットでしかない場合があります。
今回はタップの深さ、太さの関係をお話します。
そもそもこういう場合、「設計」と「加工」の立場の都合のお話になるのですが、ほとんどの場合において、「設計」の都合が優先される場合が多いです。
しかし、そこには余計なコストや無駄な加工時間が発生しており、改善すべき永遠の課題であると言えると思います。
具体的に例を出して見ていきましょう。
40mmの板厚で、M5、深さ20のタップ加工の指示が入っています。
部分拡大図
上記の図面のように、止まりタップがある加工は一般的に良く目にすると思います。
このタップ深さですが、「加工」の都合からして[タップ径×2.5倍]ぐらいが限界です。
例えばタップ径M5なら、[5×2.5=12.5]なので深さ12.5の深さが限界と考えてください。
そもそもそれを超える深さのタップが必要なときは「設計」の都合としても無いはずなんです。
強度が必要であればタップ径を大きくする方向で検討頂けると良いです。
もちろん[タップ径×2.5倍]を超える加工も良く見られるので何とか加工するのですが、工具の選定に気をつけたり加工の途中でタップが折れてしまうリスクが高くなってしまいます。
「設計」の都合と「加工」の都合、良い関係を築くことができれば素晴らしいと思います。
この事を参考に、あなたの図面のタップの深さをチェックしてみてください。
「設計」の都合になっていれば、修正してみてください。
コスト、納期の問題も改善されますよ!
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