1. HOME
  2. 最強!一番硬いアルマイト処理はこれだ!!

最強!一番硬いアルマイト処理はこれだ!!

最近、『軽量化=燃費効率』という環境に配慮した動向により、NPS®でもアルミのご注文が増えています。
軽さがある割に強度があるアルミ。もっと強度を上げたいなら『アルマイト』という表面処理を施すことをオススメしていますが、『もっと強くしたい』というご要望にお応えできる“ワザ”を今回、ご紹介します。
今回も『強い』ネタです。

まずは、アルマイト処理のおさらい

比較的安価で、軽くて加工もしやすいアルミ素材。
でも弱点もあります。

以前、その弱点が補完できる『アルマイト処理(加工)』という表面処理をご紹介しました。

具体的にどんな弱点を補完してくれるかというと、この5つ。

  • 耐食性
  • 耐摩耗性
  • 絶縁性
  • 放熱性
  • 美観性

金属加工の最後に、有機酸などを加えた電解液にドボン!
電流をビリビリ流しながら陽極で電解処理をして、人工的に表面を酸化させて皮膜を作ります。
そのためこのアルマイト処理、工程そのまんまの名前で『陽極酸化処理』とも呼びます。

そもそもアルミには酸化皮膜はありますが、非常に薄い・・・。
これでは、先に挙げた5つの弱点を補強できないのでアルマイト処理を施し、この酸化皮膜をぶ厚くして丈夫にします。
これにより軽くて強いアルミの部品が完成するわけです。

お硬いアルマイト処理は、硬質アルマイト処理

ところでこの『アルマイト処理』、もっと性能UPできないの?と思ったら大抵、気の利いた処理がちゃんとあるもんですね!

硬くて分厚い酸化皮膜にすればさらに性能が高くなります。
アルミの種類によって、多少異なりますが鉄より強いアルミになります!
このアルマイト処理、『硬質アルマイト処理』と呼びます。

でも“お硬い”だけで、“お堅い”わけではありません!
通常のアルマイトのデメリットをカバーする気の利く性能が備わっています!!

  • 耐久性UP
  • 耐摩耗性UP

先述した5大特徴と合わせて、7大特徴になります。

通常のアルマイト処理と硬質アルマイト処理の違い

さて、そんな気の利く『硬質アルマイト処理』ですが、どれぐらい通常のアルマイト処理と違いがあるの?と詳しく知りたいですよね。

この2つ、工程が違えば見た目も違います。

まずは、工程。
アルミ部品をドボン!と漬ける有機酸などを加えた電解液の温度が違います。
通常のアルマイト処理は20℃ですが、硬質アルマイト処理は0℃。

低い温度になると、アルマイト皮膜にできる無数の穴(孔)が空きますが、その穴の大きさが小さくなり、皮膜が強くなります。


では、アルミ素地の材質によって異なりますが、どういったとことが具体的に違うののか、おおよそまとめるとこんな感じです。

種類通常のアルマイト硬質アルマイト
硬度Hv200程度
一般鉄より柔らかい
Hv400程度
一般鉄並みに硬くなる
皮膜厚10μm程度20〜50μm程度
無色の場合は、ほとんど変化なく白っぽくなる。黒色など美観を重視した染色も可能。材質・皮膜厚によって、グレーっぽいものから、茶褐色に変化するものまで。自然発色。
用途半導体部品、医療器具、スマホなどの家電、キッチン用品、建材、車のホイールなど自動車エンジン部品、航空機部品など。摺動する箇所がある部品、耐摩耗性が必要な部品。

通常のアルマイトは、美観性を高くするためにカラーアルマイト処理ができましたが、硬質アルマイトは、以下のような感じで、成り行きで色が変化します。
茶褐色になっていきます。


と今回も『最強』『一番硬い』お話をしましたが、アルミの種類によってアルマイトの処理条件が変わります。

NPS®では、A2017やA7075などの高強度アルミにおいて、よく硬質アルマイト処理のオーダーいただきます。

ただし、デメリットもあるのでご注意を。

  • 皮膜がもろい
  • 耐熱性に弱い
  • アルカリ性に弱い

とは言え、摺動性・耐摩耗性に優れた『硬質アルマイト』、
通常のアルマイト処理の性能では物足りないぞ!
通常のアルマイト処理では、キズが心配!
もっと強さが欲しいぞ!
もっと硬さが欲しいぞ!

という『最強』の硬さが必要なアルミ部品が必要な場合は、『硬質アルマイト処理』をオーダーしてください。

お問い合わせ時に、アルミの材料選定が終わっている場合は、忘れずに種類(合金番号)も教えてくださいね。

材料選定がまだの場合は、使用環境や用途、『これだけは譲れません!』というポイントを教えて頂ければ、材料選定もお手伝いします!
当然、通常のアルマイト処理と『硬質アルマイト処理』では、『硬質アルマイト処理』の方がコストは高くなります。
ここは、コスト・納期に関係するので重要ですね。

今回もアルミが『最強』になる表面処理のお話をしましたが
耐摩耗性が必要なアルミ部品が必要な場合は、こちらから『硬質アルマイト処理』をオーダーください!
お待ちしています!!

【関連記事】