熱ニモ負マケナイ、ステンレス
ステンレスと聞いて一番に思い浮かぶ性能は耐食性ですが、その他にもさまざなな性能を持ち合わせています。
今回は、『耐熱性』にクローズアップしてどれを選ぶと良いか、ご紹介します。
2022.09.22
最近、『軽量化=燃費効率』という環境に配慮した動向により、NPS®でもアルミのご注文が増えています。
軽さがある割に強度があるアルミ。もっと強度を上げたいなら『アルマイト』という表面処理を施すことをオススメしていますが、『もっと強くしたい』というご要望にお応えできる“ワザ”を今回、ご紹介します。
今回も『強い』ネタです。
比較的安価で、軽くて加工もしやすいアルミ素材。
でも弱点もあります。
以前、その弱点が補完できる『アルマイト処理(加工)』という表面処理をご紹介しました。
具体的にどんな弱点を補完してくれるかというと、この5つ。
金属加工の最後に、有機酸などを加えた電解液にドボン!
電流をビリビリ流しながら陽極で電解処理をして、人工的に表面を酸化させて皮膜を作ります。
そのためこのアルマイト処理、工程そのまんまの名前で『陽極酸化処理』とも呼びます。
そもそもアルミには酸化皮膜はありますが、非常に薄い・・・。
これでは、先に挙げた5つの弱点を補強できないのでアルマイト処理を施し、この酸化皮膜をぶ厚くして丈夫にします。
これにより軽くて強いアルミの部品が完成するわけです。
ところでこの『アルマイト処理』、もっと性能UPできないの?と思ったら大抵、気の利いた処理がちゃんとあるもんですね!
硬くて分厚い酸化皮膜にすればさらに性能が高くなります。
アルミの種類によって、多少異なりますが鉄より強いアルミになります!
このアルマイト処理、『硬質アルマイト処理』と呼びます。
でも“お硬い”だけで、“お堅い”わけではありません!
通常のアルマイトのデメリットをカバーする気の利く性能が備わっています!!
先述した5大特徴と合わせて、7大特徴になります。
さて、そんな気の利く『硬質アルマイト処理』ですが、どれぐらい通常のアルマイト処理と違いがあるの?と詳しく知りたいですよね。
この2つ、工程が違えば見た目も違います。
まずは、工程。
アルミ部品をドボン!と漬ける有機酸などを加えた電解液の温度が違います。
通常のアルマイト処理は20℃ですが、硬質アルマイト処理は0℃。
低い温度になると、アルマイト皮膜にできる無数の穴(孔)が空きますが、その穴の大きさが小さくなり、皮膜が強くなります。
では、アルミ素地の材質によって異なりますが、どういったとことが具体的に違うののか、おおよそまとめるとこんな感じです。
種類 | 通常のアルマイト | 硬質アルマイト |
硬度 | Hv200程度 一般鉄より柔らかい | Hv400程度 一般鉄並みに硬くなる |
皮膜厚 | 10μm程度 | 20〜50μm程度 |
色 | 無色の場合は、ほとんど変化なく白っぽくなる。黒色など美観を重視した染色も可能。 | 材質・皮膜厚によって、グレーっぽいものから、茶褐色に変化するものまで。自然発色。 |
用途 | 半導体部品、医療器具、スマホなどの家電、キッチン用品、建材、車のホイールなど | 自動車エンジン部品、航空機部品など。摺動する箇所がある部品、耐摩耗性が必要な部品。 |
通常のアルマイトは、美観性を高くするためにカラーアルマイト処理ができましたが、硬質アルマイトは、以下のような感じで、成り行きで色が変化します。
茶褐色になっていきます。
と今回も『最強』『一番硬い』お話をしましたが、アルミの種類によってアルマイトの処理条件が変わります。
NPS®では、A2017やA7075などの高強度アルミにおいて、よく硬質アルマイト処理のオーダーいただきます。
ただし、デメリットもあるのでご注意を。
とは言え、摺動性・耐摩耗性に優れた『硬質アルマイト』、
通常のアルマイト処理の性能では物足りないぞ!
通常のアルマイト処理では、キズが心配!
もっと強さが欲しいぞ!
もっと硬さが欲しいぞ!
という『最強』の硬さが必要なアルミ部品が必要な場合は、『硬質アルマイト処理』をオーダーしてください。
お問い合わせ時に、アルミの材料選定が終わっている場合は、忘れずに種類(合金番号)も教えてくださいね。
材料選定がまだの場合は、使用環境や用途、『これだけは譲れません!』というポイントを教えて頂ければ、材料選定もお手伝いします!
当然、通常のアルマイト処理と『硬質アルマイト処理』では、『硬質アルマイト処理』の方がコストは高くなります。
ここは、コスト・納期に関係するので重要ですね。
今回もアルミが『最強』になる表面処理のお話をしましたが
耐摩耗性が必要なアルミ部品が必要な場合は、こちらから『硬質アルマイト処理』をオーダーください!
お待ちしています!!
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